床の間 Now・Currently on display 2022年6月

「百花誰為開(ひゃっか たがために ひらく)

「百花誰為開」(ひゃっか たがために ひらく)

この一節は、中国の仏教書であり禅宗の語録「碧巌録」(へきがんろく)に登場します。

(春になって)たくさんの美しい花は一体誰のために咲くのか。

誰かに見せたいとか、人を和ませたいとの思いは全くない。無心に咲き、無心に散るだけだ。

自然の循環や節理に従って精一杯咲く姿から、見返りや欲望に惑わされず、目前のことだけに一心に集中することの大切さを説きます。

筆・元妙心寺派管長 春見文勝老大師

1905年岐阜県美濃加茂市生まれ。法政大学在学中に円福僧堂に掛搭。井沢寛州老大師から法嗣。1943年西宮海清寺住職。1949~1998年海清僧堂師家。1990年妙心寺派管長。1998年遷化。法嗣弟子に西片擔雪老大師ほか

この掛け軸は、季節的には少し遅いのですが、自然が最も美しい時としてはぴったりだと思います。

先住は、草花に興味深かったのですが、私も先日見よう見まねで初めて花を植えてみました。

次回の「床の間NOW」で美しい花々を紹介したいと思います。

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