「修復関連の記事が新聞に掲載」(2023年12月30日付)

10月下旬、京都新聞から「応挙障壁画についてのコラムを執筆してほしい」と、依頼がありました。

出来るだけ難しい言葉を使わず、常に想っているいる事を数時間で書きあげ、翌日メールで送信しましたが、週に一度のコラム「口丹随想」は、数人が順番待ちをされていたため実際に掲載されたのは約1ヶ月後でした。

しかし、修復の経緯や自分の考え方を系統的に確認する良い機会となりました。

この「口丹随想」は、京都府の中部地域限定なので、ご覧いただいていない皆様にも今回の修復に対する私の想いと願いを知っていただけたらと思います。

一方、私はこのコラムが掲載された11月27日、京都国立博物館内の文化財保存修理所を訪れ、修復を行う岡墨光堂社長や担当者の方々から修復状況の説明を受けました。

訪れたのは、檀家総代、亀岡市文化資料館職員、住職夫婦、そして京都新聞記者の8人。

まず感じたのは、施設に入るには、訪問者の個人情報などを記入した申請手続きが必要で、厳重なセキュリティ・チェックがされていている事。国宝や重要文化財などをいかに大切に扱っているかを垣間見ることが出来ました。

次に、広い作業現場には数十人の長年の技術と経験を積んだ職員の方々が作業をされていました。

説明では、明治の修復は、虫が食った小さな穴も丁寧に補修されていて当時の職人の高い技術と心意気が推測できるとのことでした。

気の遠くなるような細かい作業をコツコツ進めるためには、9年間と云う長い期間と莫大な費用が必要であることをあらためて認識した一日でした。

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