応挙障壁画「令和の大改修」の内容と現状は!(2026年1月17日付)

当寺所有の応挙筆「波涛図」「山水図」(重要文化財)の傷みが酷いことから国庫補助金、住友財団助成金などの多くの公的補助を活用し、9年間をかけて令和の大修復が始まったことは既にお知らせしています。

修復が始まってから早いもので3年が経過、年度末の3月には全体の約1/3の修復が完了し、作業を進めている京都国立博物館から元の東京国立博物館に戻される日程も決まりました。

そこで、今回は修復作業の大まかな流れと内容について皆様にご説明したいと思います。

修復前の「波涛図」「山水図」は、この様な状態でした。

修復作業の流れ

① 掛軸装を解体し、汚れを除去、損傷図面を作成。

② 絵具層の剥落止めや養生紙による表打ちで表面を補強、旧肌裏紙(掛軸や絵画の裏打ちに使用される和紙。作品の補強や色合いの調整が行われる)と旧補修紙を除去。

③ 本紙欠失箇所に新補修紙、新肌裏紙を施し、補彩して養生紙を除去。

④ 本紙と表装裂地(ひょうそうきれじ)に新調した軸首、紐を取りつけ掛軸装に仕立てる。

今回の第1期事業の前半(令和5~7年度)は、「波涛図」28幅、2曲1双の内12幅、「山水図」13幅の内4幅でしたが、今後第1期事業の後半(令和8~9年度)、第2期事業(令和10~13年度)も同様の流れで実施されます。

実際の作業は、岡墨光堂の岡社長や多くの職員さんたちによって行われますが、補修紙、肌裏紙、柱幅、補彩など重要な内容は文化庁の調査官、東京国立博物館の研究員、京都府教育庁の技師、亀岡市の学芸員の皆さんにその都度お集まり頂き、助言をいただきながら決定してきました。

今回、最初の作業が無事終了する目途がたち、詳細な内容が確定したことから、残りの事業も計画通りスムーズに進むものと確信しています。

6年後の全体の完成が待ちどうしい限りです。

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