応挙障壁画「令和の大改修」の内容と現状は!(2026年1月17日付)

当寺所有の応挙筆「波涛図」(32幅)「山水図」(13幅)の傷みが酷いことから国庫補助金、住友財団助成金などの多くの公的補助を活用し、9年間をかけて令和の大修復が始まったことは既にお知らせしているとおりです。

修復が始まってから早いものでまもなく3年が経過、年度末の3月には全体45幅の内16幅の修復が完了予定となり、作業を進めている京都国立博物館(文化財保存修理所)から元の東京国立博物館に戻される日程も決まりました。

そこで、今回は修復作業の大まかな流れと内容について皆様にご説明したいと思います。

修復前の「波涛図」「山水図」は、この様な状態でした。

修復作業の流れ

① 掛軸装を解体し、汚れを除去、損傷図面を作成。

② 絵具層の剥落止めや養生紙による表打ちで表面を補強、旧肌裏紙(掛軸や絵画の裏打ちに使用される和紙。作品の補強や色合いの調整が行われる)と旧補修紙を除去。

③ 本紙欠失箇所に新補修紙、新肌裏紙を施し、補彩して養生紙を除去。

④ 本紙と表装裂地(ひょうそうきれじ)に新調した軸首、紐を取りつけ掛軸装に仕立てる。

今回の第1期事業の前半(令和5~7年度)は、「波涛図」12幅と「山水図」4幅でした。

今後、第1期事業の後半(令和8~9年度)は、「波涛図」8幅と屏風1双。

第2期事業(令和10~13年度)は、「波涛図」8幅と「山水図」9幅。

これらも、今回と同様の流れで実施される予定です。

実際の作業は、岡墨光堂の多くの職員さんたちによって行われていますが、屏風から掛軸に変更、補修紙と肌裏紙の材質、柱幅の寸法、補彩の色調など、重要な内容は文化庁の調査官、東京国立博物館の研究員、京都府教育庁の技師、亀岡市の学芸員の皆さんにその都度お集まり頂き、助言をいただきながら決定してきました。

今回の事業が無事完了する目途がたち、詳細な仕様が確定したことから、残りの事業も計画通りスムーズに進むものと確信しています。

6年後の全体の事業の完成が待ちどうしい限りです。

注・波涛図32幅としているのは、修復後の状態で、修復前は28幅及び2曲屏風1双となっていました。

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