応挙書簡



原文

一筆啓上仕候 春暖之節

益御機嫌能被遊御

珍重御義奉恐賀候 然者

先代年回相向候所時節柄

之義ニ付 以甚麁末之至リ

候得共

茶壱袋

並ニ

薄封壱包

右印迄ニ呈上候 乍恐宜敷

御回向御成奉願上候 先者

右様如此御候早々頓首

三月十六日

金剛寺様

略意

 一筆啓上いたします 春暖の候

 ますます御機嫌良く御過ごしのことと

御歓び申し上げます さて

先代(父)の年回の時期が近づいて

参りましたので 非常に粗末で

御座いますが

茶一袋

並びに

薄封(志) 一包

印までに呈上します 恐れながら宜しく

御回向頂きます様御願いします まずは

以上のとおりで御座います 早々頓首

三月十六日

金剛寺様



この書簡は、玉堂和尚の肖像画と同様に2005年秋、歴代住職の法衣ダンスの中から見つかりました。「圓山主水」の署名は、応挙とその息子応瑞も使用するのですが、応挙の書簡であれば父藤左衛門(5月21日寂)の年回を、応瑞であれば父応挙 (7月17日寂)の年回を依頼することになります。書簡が書かれた3月16日に「先代の年回が近づいて参りましたので…」とあることから、応挙が父藤左衛門の年回を依頼したものと判断するのが妥当であると考えています。